今やるべきことを知る

「自分らしく」 という綺麗ゴトを体現する。ひとりのLGBTの当事者が伝えるキャリアの創り方

「学歴が低いから無理だよ」「経験がないからダメだよ」「お前は○○だ」等々、他人からレッテルを張られること程、むかついたり、傷ついたり、しんどいことはないですよね。

人の可能性は、意外とそんな一言に大きく影響されることもあるのではないでしょうか…本日は、「LGBT」という言葉が世の中的には浸透していない時代に、ゲイであることに気づき葛藤し、就活という選択肢を選ばず、自分らしいキャリアを創ってきた田代氏にインタビューをしてきました。

「なんだかんだ周りに流されてしまう」「やりたいことはなんとなくあるけど、一歩踏み出せない」そんな方は是非ご一読下さい。

【田代哲也氏 プロフィール】

1989年生まれ。学生時代、LGBTの学生団体の代表として運営に携わる。卒業後、舞台やダンスの表現活動を経て、雑誌編集者として就職。現在は、人事コンサルティング企業に転職し、教育プログラムの開発に従事。その他にも、LGBTとしての働き方をはじめ「世の中にメッセージを伝えていく人」を目指し、講師やLGBTユースのための自助団体の理事、パフォーマンス・グループの主宰としても活動中。

【目次】

1.ゲイであることを受け入れ、LGBTの学生団体の代表へ
2.就活という選択肢を選ばなかった理由とキャリアの創り方
3.人事コンサルティング企業への就職と職場でのカミングアウト

1.ゲイであることを受け入れ、LGBTの学生団体の代表へ

-早速ですが、どんな学生時代を過ごされていたのですか?

高校生の頃にダンスやお芝居に関心を持ち始め、大学入学後からTVのバックダンサーや舞台等の表現活動を始めました。その活動自体は楽しかったのですが、同時に「自分にはやっていけないな」という違和感もありました。

当時、踊りがナヨナヨしてしまうのを直したくて都内のスクールに通っていたんですが、先生に「お前、オカマか!」みたいな指摘をされちゃうんです。実際、高校時代から「自分はゲイなのかな」という自覚がありました。スクールだけではなく学生生活の中でも、人との違いや疎外感を感じるようになっていったのが大学1年生の冬でした。

-LGBTに対して、今ほど理解がない時代でしたよね。そこからどう立ち直られたんですか?

しばらく感情の浮き沈みを繰り返していましたが、ある時、「こうしててもしょうがない!」と吹っ切れたんです。そして、自分を受け入れてこれ以上悩まずに生きるために、LGBTについて学ぶことから始めました。

本を読んだり、多くの団体を出入りして色々な人の話を聴いたりするうちに、LGBT の学生団体の代表になったのが大学2年生の時です。

当時、テレビで初めて「LGBT」が特集されたこともあって、メンバーは1年間で100名近く増えました。その中で、学園祭等でLGBT当事者が演劇をし、「自分たちはLGBTだ」と打ち明けながら、世の中にメッセージを発信する活動をしていました。その繰り返しを通して、自分自身、「『自分らしく』あっていいんだ」と思えるようになったと思います。

2.就活という選択肢を選ばなかった理由とキャリアの創り方

-団体の活動を推進する中で、就活という時期があったかと思います。どのように学生から社会人へのキャリアを創っていったのですか?

結論からお伝えすると、大学時代は就活を全くしませんでした。長い人生を考えたとき、就活よりも、日本にたったひとつしかないこのサークルで、大学卒業まで自分の役割を果たすことの方が、自分として社会に価値が発揮できると考えたからです。

誰が見に来ているか分からない客席に向かってLGBTであることを告白する緊張感と、その中で生まれる一体感。舞台上のメンバーと客席が渦を巻いて、一つの感情に飲まれていくような、とても不思議な感覚は今でも忘れません。その中でメンバー一人ひとりも少なからず自己肯定感を得てくれた気がするんです…

-卒業後はどのように過ごされていたのですか?

バイトをしながら、舞台やダンスの表現活動をしていました。LGBTの活動で間があいたので、「もう一度やりたいことやろう」と思って。ダンスの世界大会に日本代表として出場したこともありました。

その頃、「世の中にメッセージを伝えていく人になりたい」という想いが少しずつ芽生えていました。自分がLGBTで、かつ沢山の当事者と一緒に活動してきたからこそ気づけることが何かあるんじゃないかって。

その想いと、今自分が取り組んでいる「ダンス」の、肩書、年収、人種等に囚われない表現の自由さにつながりを感じ、ダンス雑誌を扱う出版社で働くことを決めました。編集者時代は、プロの舞台から、子供たちの発表会まで、いろいろな現場の取材に行って楽しかったですね…

3.人事コンサルティング企業への就職と職場でのカミングアウト

-その後、編集のお仕事から、人事コンサルティング企業への転職にはどんな背景があったんですか?

編集の仕事は楽しかったですが、「雑誌は編集長のモノ」という印象が強く、自分の想いをカタチにしたいという欲求不満から、2年働いた後、退職しました。

その時、たまたま隣の席でお世話になった先輩に紹介されたのが今の人事コンサルの仕事でした。最初はアルバイト、現在は正社員として企業研修の教育プログラムを創る仕事をしています。

週末は表現活動も継続していますが、研修設計も作品づくりも目指すところは一緒。その場にいる人の気持ちが自然に揺らいで、気づいて、終わった後、その人の視界がほんの少し変わるような時間を創りたいという想いで取り組んでいます。ちなみに入社2日目に全社メールでカミングアウトをしています。自分を隠すことで、力を発揮しきれないのは嫌なので…

-自分らしさを貫く、田代さんらしい働き方ですね。最後に、キャリア選択について学生へのアドバイスをお願い致します。

どんな情報にもすぐアクセスできる世の中で、結局一番分からないことって「自分」だと思います。自分の中には知らない世界がたくさんある。だからこそ「刺激し合える仲間と、限界まで時間を忘れるくらい」何かにのめり込んでみてほしい。そうすることで、自ずと自分が見えてくるのではないかと思います。

インタビュー後記

自分にとって大切なこと、やりたいことを選択して、紡いできた、いわば点と点を結んできた半生。皆さんにとって大学生である「いま」大切なものは何でしょうか?授業や就活など、一見当たり前なことに追われるのではなく、「やりたいこと」が何か立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

キャリアスケッチ・中村

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