漠然と成長したいと考えている大学生へ
採用面接に携わっているとよく聞く言葉が「成長したい」という言葉です。
就活生の「成長したい」という前向きな欲求は素晴らしいことですし、企業側からすると「成長して売上に貢献してもらいたい」というのは本音のところです。
しかし、いざ採用してみると成長スピードが早い人と遅い人にわかれるのが現実です。
また、就活生からは「成長できる環境は整っていますか?」と聞かれますがその質問への返答はいつも悩みます。
結局、成長スピードは「本人の仕事へのスタンス」×「職場の育成環境」によって決まるものなので、環境が整っていても成長が遅い人、環境についていけない人は常に存在します。
成長したいと前のめりな就活生が1年後に残念な仕事をしている悲しい現実はよくある中で、本日は「成長したい」と前のめりな就活生や大学生がつまづかないために考えてもらいたい2つの質問について紹介します。
「成長した先に、どんなことを実現したいですか?」
採用面接において「成長したい」願望の強い就活生の方には必ずこの質問をさせていただきます。
結局、成長した先に実現したいことを描いている方は、成長するための目標設定を具体的に設定することができます。
成長した先に実現したいことが曖昧だと、営業力を伸ばすべきなのか、語学力を伸ばすべきなのか、成長するための目標を設定が曖昧になります。
目標が曖昧になると、「なんとなく頑張っているし」と自分で自分の基準値を下げやすくなります。
もし、「成長したいけど、そもそも成長した先のことを考えてなかったな…」と心当たりのある人は考えてみて下さい。
採用面接官としても、その先が曖昧になっていると「自社の事業へのコミットも低そうだな…」「成長したいだけなら、自社で採用する必要はないか…」等、採用したいと思えないというのが実際のところです。
「過去の経験の中で、成長するためにどんな努力をしてきましたか?」
「成長したい」と前のめりだったのに、いざ仕事をやってみると「期限を守れない」「言い訳が多い」「本を読む等、自己研鑽しない」等々、行動できない人は意外にも多いです。
だからこそ採用面接の場面では、成長するためにどんな努力ができる人なのかを聞かせていただきます。
また、その際の努力については「どんな行動を、どれだけ継続できるか」という観点です。
よく何かの経験の中で「困難にぶつかったけど、●●という努力をして乗り越えました」と回答いただくこともあるのですが、その努力は一時的に努力しただけであって継続していないのです。
もし、「成長したいという想いがありながら、行動できていないな…」と感じる方は、継続して行動するための習慣目標を設定してみて下さい。
例えば、「経験学習理論」という考え方があるように、日々の行動を振り返り「できたこと/できなかったこと/今後改善すること」を整理して内省する習慣を身につけるだけでも、経験から学ぶ力が高まります。
成長することを焦らない
成長することへの焦りは、「周りの行動や評価が過度に気になる」「自分のできていない課題ばかりが気になる」「自分を認めることができず、不安が募る」等々、場合によっては空回りにつながります。
まずは、自分のことを見つめ直し「自分が何に向いているのか」「何をやりたいのか」自分の現状についてじっくり考えてみることも一つでしょう。
自分が何に向いているのか、どんな強みがあるのか知りたい方は以前の記事で紹介した、自己理解を深める本を読んでみることがお勧めです。
私自身の経験では、学生時代に成長への焦りで空回っていた時もありましたが、やりたいことを見出し夢中になっていた時の方が成長実感を得ることができました。
自分は空回っているかもしれないという心当たりのある方は、「成長」という以外の観点で、自分の現状や将来を見つめなおす時もあってはよいのではないでしょうか…