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「就活に挫折経験は必要?」議員秘書→民間企業への就職→起業を経て思うこととは?

就活に挫折経験は必要か?

なぜ、就職活動の面接において挫折経験が聞かれるのか?

本日は、議員志望で政界に飛び込み挫折をする中で、現在は起業をして事業を推進している橘氏にインタビューをしてきました。

並々ならぬ挫折経験、仕事に就けない苦しい時期を乗り越えて、起業家として活躍されている橘さんが、どのような経緯で起業をしたのか?

これからの大学生活へのヒントが詰まった内容となっております。

橘氏プロフィール
大学時代のゼミの先生の関係で政治に興味を持ち、衆議院議員の秘書として政治の世界に進んだ橘氏。その後、ご家族の経営する民間企業へ就職も、夢を追うため、自ら区議会議員を目指して立候補。しかし、出馬をめぐる内紛によって直前で夢叶わず。

転職活動も上手くいかず、アルバイトを転々とする生活を経て、企業経営者や社長様向けに特化したプロドライバー、役員秘書の派遣サービスを行う株式会社トランスアクトを設立。現在は代表取締役として事業を推進中。

 

大学卒業後に就職した先の議員秘書は、どのようなお仕事でしたか?

簡単に言えば、議員の御用聞きです。当時秘書をしていた議員は、政界でもめちゃくちゃなことで有名な人で、交通ルールも世の中の常識もないような、70歳近いおじいちゃんでした。

めちゃくちゃさの例を挙げるとすれば…

高速道路の渋滞にはまった時には出口もないのに高速を降りろと本気で怒鳴り、そして高速の入口からバックで高速を降りることを強いてそれを実行する、みたいな感じです。

考えられないでしょ?(笑)

気に食わないことがあれば、本気の大きな声で怒鳴ります。

理不尽極まりないことだらけでしたが、このくらいエネルギーのある人でないと政治家は出来ないんだなって思っていました。

そうして目で見て、感じて、政治の世界を知っていきました。

そんな中で、議員秘書の仕事を続けられたのはなぜですか?

生ぬるい世界ではありませんでしたから、それはきつかったですよ。でも、ほんの少しだけ、刺激が上回っていました。49%のきつさと51%の刺激です。

昼間に起きたことが夕方のニュースになって、目の前で世の中が動いていく。その刺激と毎日の緊張感は、何にも替えられないものがありました。

でも、大学の同級生と久々に飲みに行ったときに言われたことがきっかけで、自分を見直しました。

「お前、運転が変わったな。人が変わったな。」って言われたんです。

当時、偉い先生の秘書をやっていたので、相当天狗になっていたんですね。

そんなこともあって、議員秘書を3年で退職して、祖父が設立した民間企業へ就職しました。

政界から、同族経営する民間企業での転職後の仕事はいかがでしたか?

どうしてもやりがいが感じられなくて、結果、1年半で辞めてしまいました。理由は大きく二つあります。

一つは、親族の会社で人間関係が煩わしかったということです。

例え、自分に実力があって経営者になったとしても、様々な見られ方をします。変に持ち上げてくるシンパの人もいれば、アンチの人もいて。

もっと仕事そのものに集中したい、もし同じような仕事をするにしても、親族経営の会社は辞めようと思いました。

もう一つは、入社すれば当たり前の営業の仕事へのやりがいを感じられなかったことです。

目の前で日本の政局という大きなものが動いていく世界が、自分の中で当たり前になっていたので、アポを取って営業へ行くという普通の仕事が、すごくスケールの小さなものに感じてしまっていました。

これは後に大きな間違いだったと気が付くのですが…

そして、秘書時代のあの緊張感のある世界へ再度飛び込むことを決意しました。

秘書時代に感じた世の中の様々な課題や問題点に対し、自分自身で社会を良くしたいと思い、区議会議員選挙へ応募しました。

しかし、2年間秘書を続けて、所属政党の内紛で直前に出馬できなくなるという屈辱的な経験をしました。それから政界からは脚を洗って、転職活動を始めました。

なかなかない経験ですね…その後の転職活動はどのように進められましたか?

「体力と視野の広さには誰にも負けない」「仕事さえ与えてくれば何でもできる」そう思っていました。

自信だけはあったんですが、どこにも採用してもらえなかったです。

そんな中、知人からの声掛けで役員運転手のアルバイトの仕事をいただきました。秘書時代の緊張感と刺激を思い出して、すごく楽しい仕事だと思えました。

しかし、そこの社長が給与の計算をわざと間違えるような適当な人で、従業員満足度は高くなくて。自分だったらこうしたい、ああしたいそんな風に思うことが多くなりました。

働くうちに、人材派遣の仕事の全体像が見えるようになり、「自分にも出来る」と思えたんです。

政界で培った、何手も先を見る力、様々な視野を持つ力が役に立った瞬間だったのかもしれません。

先が見えない状態から、起業という発想はなかなかできないと思うのですが、そのエネルギーはどこから来たものでしたか?

生きていくために、起業の道しかありませんでした。

ちょうど子供が出来て、来年には生まれてくる。でも手に職がない。

アルバイトを続けても、その先に家族を養っていける道筋は見えない。逃げ道なんてなかったし、自分に勇気があったわけでもありません。

だけど、根底に「見返してやる」という気持ちが強くあったんです。

起業家って、かっこよく映ったりしますけど、きっと多くの人の根底にあるものってマイナスなエネルギーも多いと思います。

私の場合、いくつもの挫折があったからこそ、ネガティブな感情があったからこそ、できたのだと思っています。

様々な困難を乗り越えて、たくさんのキャリアを描きながらこの事業にたどり着いて、今はどんな毎日ですか?

でこぼこな道を通って、ものすごく遠回りはしました。

でも、だからこそ今、「これでいいんだ」と思える人生を生きています。

結局、「自分が何を大切にしたいか」これに尽きるのかなぁ。

これに絶対値はおそらくなくて、判断基準は相対値だと思います。だから、学生の皆さんにはたくさんのことを経験してほしいと思っています。

経験しないと納得できないことってきっとありますから。そのためにインターン生の採用も、学生にその気があれば、何でも吸収してほしいと、そんな気持ちで募集しています。

創業から今年で5年目。これから先のトランスアクトのビジョンを教えてください

売上や契約数、会社の規模にこだわるのではなく、その逆のコンパクトな会社を創っていきたいと考えています。

何があっても、自分で舵をとれるような人材を増やしていけたらいいなと思います。

10年前にみんなが羨む大企業だった会社がつぶれたり、買収されたりする時代です。“絶対安泰”はない。

この業種は、教育が成り立たなくて、現場のスタッフを信頼するしかないという特徴があります。

ドライバーも秘書も、現場に入ったら私たち管理者は手が出せないし、実際どんな風にサービスが行われているのか見ることができない。つまり、任せるしかないんです。

だから私はいつも、自分の会社だと思ってやってほしいと言っています。

フランチャイズ契約に近いものですかね。従属意識、帰属意識を持たずに責任をもってやってほしい。

そして、従業員一人ひとりが自分の独自性を磨いて個人で戦い、それぞれにしか出来ない個性のある組織の形を追求していきたいです。

インタビュー後記

大きな挫折を経験し、今や経営者として誇りを持って働いている橘さんが語る言葉には、何とも言えない説得力がありました。

「自分が何を大切にしたいか」ということの重要さをものすごくリアルに感じました。

改めて、就職活動前にいろんなことに挑戦し「自分の感情が揺さぶられる経験」から語れることを増やしていくことが、自分をつくることにつながるのだなと実感しました。

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