これまで約5年程採用活動を続けておりますが、将来ビジョンが過去の経験と紐付いている人ほど、その言葉に説得力を感じます。大学生活の過ごし方に正解はありませんが、大学時代の「経験の質」が就職活動や社会人生活に大きな影響があること。これは間違いないと思っています。
今回は大学時代、自分の「やりたい」に力を注いだ倉田沙也加さん(「Highers☆」という食品の商品開発を行っているサークルを立ち上げた元代表)のインタビュー記事をお届けします。大学生活の過ごし方の参考にしてみてください。
1. 自分の「やりたい」を行動に移す
部活の規則で、苦しくても食べなければいけない環境で過ごした高校時代。本当は好きだった「食べること」が嫌いになった時期がありました。その経験から「食べることは生きるために必要だけど、同時に楽しむために必要なこと」と強く思うようになり、食品に関する勉強ができる大学を選びました。入学後は商品開発のサークルに入ろうと思っていたのですが、なんとありませんでした…泣
「サークルがないのであれば創ろう」そう思って立ちたげたのが、Highers☆です。
2. 反対する大人を巻き込んで、企画を成功させる経験
サークルを立ち上げる際は、大学への申請には苦労しましたね。大学側は「本当に上手くいくの?」「過去失敗しているサークルもあるけど…」等なかなか一筋縄ではいきませんでした。ただ、反対する背景には必ず理由があって、1つひとつ対策を提案することでなんとか乗り越えられました。この過程では、教授も巻き込みました。新しいことを始めるには壁があって当然。それでも、最後までやりぬくことが大事だと感じました。
3. 価値をつくりだすために、試行錯誤する経験
サークル立ち上げ当初は、「食で人を幸せに」という方針を掲げ、とにかくレシピを作るところから始めました。そして、立ち上げ数ヶ月経過して、デイサービスに食に関するイベントをやってほしいという仕事の依頼を受けるこができました。
ただ、イベント立ち上げには予想以上のハードルが…イベントで提供するメニューが決まるのには約半年間もかかりました。試行錯誤の連続です。しかも、最初の参加者は4人程…参加者の人は喜んでくれましたがもっともっと工夫する必要があると痛感しました。
気づけば「味の追求」だけに気を取られていたんですよね。なので2回目以降は、歌ってお腹をすかせたり、手遊びをしたり「食べる空間や演出」にも拘って企画しました。結果、参加者の皆さんは増えましたし、なにより喜んでもらえたのが本当に嬉しかったです。
4. 人と向き合い、葛藤する経験
自分が先輩という立場になって、最も難しかったのが後輩のマネジメントですね。考えを引き継いだり、育てたり…。結局、人の心は勝手に育たないし、こちらの物差しでコントロールしようとしても駄目なんですよね。自分だけが先頭を走ることでは、創ったサークルも続かない…。そんな葛藤経験は、自己中心的な自分の考えを改める機会となったので、後輩たちには感謝でいっぱいです。
5. 自分の未来と向き合う経験
ある農家の方とお話をしたときに、「身振り手振りは大きいけど、本質的なことを考えられていない。自分が死ぬときのありたい姿を考えたことがあるか?」と問われたことがあります。就職活動は未来や社会と向き合う大切な機会。自分がどういう大人になりたいかを考えることが、自分を一回りも二回りも大きくするのかなと思います。
「商品開発でモノを生み出すだけではなく、そこから派生する感情も大切にする、食の総合プロデュースをしたい」これが就職活動中に私が考え抜いた、将来やりたいことです。
「経験」こそが人を大きく成長させる。そんなことを教えてくれたような気がします。組織の歯車ではなく、社会を動かすリーダーへと成長してほしいですね。
キャリアスケッチ 高橋