今やるべきことを知る

NPO代表理事というキャリアを見出すきっかけとなった、学生時代の3つの経験

先日に引き続き、Learning for All 代表理事李炯植さんに、「やりたいこと」というテーマでインタビューをしてきました。どんな原体験が、教育課題に向き合うきっかけにつながったのか。学生時代のどんな経験が、働く上で役立ったのか。学生時代の過ごし方のヒントにもなる李さんの言葉。是非ご一読ください。

業界:NPO法人
所属:Learning for All
職種:代表理事 李炯植さん

現在やりたいことをやれていますか?

私の原体験は、生活困窮者の多い地域で生まれ育ち、教育格差の現実を目の当たりにしてきたことにあります。幼い頃から問題意識を持っていたため、社会的に困難を抱えている子どもたちに学習支援をするLearning for Allの活動はまさに私のやりたいことと、つながっています。

実際、NPOで働くという決断にブレーキはなかったんですか?

大学時代はコンサルタントになりたかったので、様々な心の声はありましたが、いろんな縁や自分なりの軸に沿って、弊団体で働くことを決断致しました。決断にあたってのブレーキは正直あまりなく、就活ナビに掲載されている企業に就職しなくても、生きていけると考えていました。

NPOで働くという決断をする時よりも、弊団体の代表になる時の方が「自分にできるのか?」という葛藤があったかもしれません。ただ、自分一人が完璧でいる必要はなく、仲間に任せれば良いなと捉えられたので、代表という立場で活動することを、最後は決断できました。

大学時代、やりたいことを見出すためのポイントは何でしょうか?

教育格差についての問題意識はなんとなく持っていたものの、大学1~2年制の頃は、やりたいこともなく、ただひたすら遊んでいました。そんな中、地元の友人に会って話した時にそれぞれ全く違う道に進んでいると感じました。地元の現状や、自分の問題意識を大学の友達に話すと、「勉強しなかった人が悪い」という意見があり、勉強したくてもできない環境が事実あるのにな…と感じることもありました。私自身は、そんな一つひとつの経験から、自分の意志と向き合ってきました。

やりたいことを見出すポイントとしては、やはり何からの体験から起こる、感情の揺れ、嬉しいと感じたこと、悔しいと感じたことを掘り下げて、その体験を自分の糧にしていくことです。

例えば、文化祭で優勝したという体験があったとするならば、目標達成できたことが嬉しかったのか…仲間と一緒に活動できたことが嬉しかったのか‥人それぞれに「嬉しい」にも感じ方が違います。そこに、必ず動機の源泉があるはずです。

学生時代の経験において、社会で働く上で役立ったことは?

役だったこととして3つあります。

1つは「様々な人と、よく遊んだこと」

職業も、年齢も様々。それぞれ異なる経験をしている人たちと知り合えたことですね。また、地元と東大で両極端の世界を見れたことも大きいですね。自分の知らない世界、視野が広げられたことは、様々な人と接する今の仕事にも確実に活きています。

2つめは、「よく本を読むこと」

様々な参考文献を読んで、自分なりに教育というものを検証しました。主に、教育学・哲学・社会学の本を読みましたね。文系学問の世界の切り取り方を学べたのは、今の仕事の糧になっています。やはり、子どもに正しい知識を伝えなければいけないですし、「なぜ?」という問いに対して答えなければいけないですからね。

個人的には、想いだけで教育事業に取り組むべきではないと思っておりまして、しっかりとした知識と考えられるべき頭は持ち合わせておくべきだと考えております。

3つめは「学習支援の現場にでたこと」

学習支援の現場は、自分にとっても非常に学びになりました。子供に向き合う難しさ。一人の人生に寄り添うことがどれだけ重要で、学問だけではいかに薄っぺらいか…現場のスタッフは頑張っているけど、全ては救えない現実。自分の問題意識に対して、今後どう関わっていくべきかがクリアになりました。

これからやりたいと思っていることは?

団体経営を続けてく先に、子供たちのために支援を届けられるNPOでありたいなと考えています。また、自分たちのやっていることは「正しいのか?」そこは常に追求していきたいです。その過程においては、自己満足になるのが嫌いなので、社会問題に対しても研究していきたいですね。

最後に、大学生へのメッセージをお願いします

「やりたいことをやってください」大学時代って、単位取ったり、バイトしたり、やるべきことってたくさんありますよね。ただその中でもできるだけやりたいことをやってみる。その中で、感情の上がり下がりを楽しみつつ、自分の大切にしたい価値観や軸を言語化することを意識してもらえるとよいと思います。

インタビュー後記

人それぞれやりたいことを見出すプロセスは違います。ただどんな人でも、自分の価値観や目指したい将来像に影響を及ぼしている過去の経験を持っていると思います。そんな自分の経験を見つめることで、今後の「やりたい」が見出だせるかもしれませんね。

キャリアスケッチ・高橋

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