将来の選択肢を知る

【NPOのリアル】優秀な若手社員が、なぜ地域のNPOで働くキャリアを選んだのか!?

本日は、NPOカタリバに所属しながら、島根県雲南市で働く鈴木隆太にインタビューしてきました。新卒はビジネスセクターで経験を積みながら、現在はNPOセクターで地方の教育課題と向き合うこれまた異色のキャリア。「NPOに興味がある」「将来、地元で働きたい」「教師、塾講師以外のかたちで教育に携わりたい」そんな学生さんには是非ご一読いただければと思います。

業界:教育業界
所属:NPOカタリバ
年次: 5年目 鈴木隆大

※NPOカタリバは、子ども・若者への教育活動を行っている認定NPO法人です。

高校生へのキャリア学習プログラム「カタリ場」と、被災地の放課後学校「コラボ・スクール」の主に2つの活動を行っています。(http://www.katariba.or.jp/

現在、取り組んでいるお仕事について教えて下さい

「地方創生」の流れの中で、地域にいても自分の納得した生き方ができる」という世界観を実現するために、中学校・高校・大学と連携し、キャリア教育を主軸に、地域の「教育課題」と向き合う仕事をしています。

具体的には、地域にある7つの中学校と2つの高校向けには、中高生と大学生、地域の人が一緒に学びあう土曜日を活用した学習プログラム(幸雲南塾)の立ち上げを行っており、それ以外にも、高校の総合学習の授業設計のサポート、キャリア科目の作成のサポートを雲南市教育委員会の方々と協働しながら実施しています。

大学生向けには、活動拠点である島根県雲南市の社会課題に大学生が本気でチャレンジする「インターンシッププログラム(教育分野、まちづくり分野、医療保健福祉分野)」を、雲南市政策推進課と連携大学と協働しながら開発しております。

教育に携わる人間としては非常に魅力的なお仕事ですね。その仕事のやりがいはどんなところにあるのでしょうか?

人口3万9000人の小さな街なので、エンドユーザーである生徒の顔が1つひとつ浮かんでくる程、密に成長に携われることですね。中学の時に授業を提供した生徒に、進学した高校でも関われる。

生徒の変化を間近で見られるのは嬉しいですね。新卒で入社した会社は、広告代理店でエンドユーザーの顔をあまり見られない仕事だったので尚更ですね。

仕事は好きだからやっている感覚です。やらされ感は全くないですね。安定を捨ててチャレンジすると決め、自分で選んで飛び込んだ道ですから…

素敵なことですね。実際前職の仕事から、地域に飛び込もうとしたきっかけは何かあったんですか?

大学時代にNPOカタリバの活動に携わっていたのですが、その活動の中でも、大学4年生の時に携わった、東北大震災後の宮城県女川町で約半年間、中学生向けの「職場体験」のプログラムを作っていた経験が大きいですね。

私は、東京育ちなのですが、半年間宮城県女川町という県外で生活する中で「地域」と呼ばれる所を知りました。

地域で活動する中でも地域独特の人間関係や、コミュニケーションの面で難しいことはたくさんありますが、地域の人たちは本当に温かったです。

その中で、地域の教育や地域自体に想いをもっているけど、なかなか想いをカタチ出来ないジレンマを感じている人も多かったです。

だからこそ、いつかは自分なりに、そんな方々に貢献できたらいいなと考えていました。

ただ、当日の自分には地域に飛び込む勇気と、地域に貢献できるだけの力が何もなかったと思っています。

なので、まずは新卒でビジネスセクターを選び様々な方々のお力を借りて、力をつけようと思いました。

そして、いろんなタイミングが重なって2015年4月から地域に飛び込むことを決意しました。

ビジネスセクターでの経験で、どんな力を身につけられましたか?

私は広告代理店の営業を約3年経験させていただきました。

1年目は東京、2年目からは大阪で、中四国9県のエリアを担当させていただきました。

その中で一番培われたのは、「お客様のニーズを汲み取り、お客さんのために仕事をするスタンス」だと思っています。

営業は単に商品を売ることではなく、お客様に信頼され・お客様の役に立ち・最終的にはお客様に感動してもらうことが仕事だと前職時代に教わりました。

2年目に担当させていただいた中四国エリアではまだまだ私たちの会社のこと、サービスのことを知っていただく余地がたくさんありました。

だからこそ、商品売りではなく、付加価値をのせることが常にお客様から求められていました。その中で試行錯誤した経験は本当に糧になっています。

前職でお世話になった全ての方々に本当に感謝しています。

あとは、ビジネスの基礎・型を教えてもらったことですね。

新卒1年目に私に基本を教えていただいた当時のOJTの先輩から「鈴木隆太ファンをたくさん作れ!」と今でも大事にしている言葉を言っていただけました。

地域の中ではその基本や型を学ぶ機会があまり多くはないので、しっかりと基礎基本を教えてもらったことは本当に良かったと思っています。

実力と自信をつける、貴重な経験ですね。

そうですね。ただ、自信については当時も今も疑わしいですね。本当に貢献できているのかと、自分に対して疑うことは今でも多々あります。

実際、3年目のタイミングでは「民間に残って頑張り続ける道」と「新しい環境に飛び込んで、0から自分を創る道」を天秤にかけました。

全く自信はなかったのですが「新たな環境に人生かけてチャレンジしたい」と腹をくくり今に至りますが、自信があって今の道を決めたかと言われたら全然そんなことはないです。

そうだったんですね…吐露していただきありがとうございます。掘り下げたいところですが、終わらなくなりそうなので次の質問に… 現在の仕事のしんどいことについて教えてください。

1つは「NPO」という存在がまだまだ世の中に認知されていないだけに、人からの理解を得づらいことですね。「NPOって、ボランティアで、無給で、良いことをやっているんでしょ」と言われることは多いですね。

2つめは、志だけでは難しい現実があるということですね。

NPOは大きな後ろ盾(例えば会社のネームや、会社の社会的地位)が確立されているわけではなく、本当の意味でその組織の、働いている個人の「実力」を問われる組織だと思います。

様々な知見やスキルを持っていないと、お客間にお役立ちができない。そういう意味で、自分を客観的にみつめ、自分を磨き続けることは必須です。

3つめは、給料水準がまだまだ低いということもリアルにあります。同世代の商社や外資コンサルで働いている人の給与とか聞くと…って感じですね。

世の中的には、やりがいを求める風潮がありますが、事実お金もないとしんどいですね。(キレイごとで済まされないことも多いです)

NPOで活躍される方々に聞いている部分と共通することが多いように感じました。では、NPOで働くか否かを考えている方への参考情報として、NPOで働く良さと悩みについて教えて下さい。

一般的な企業のように「与えられる仕事」はありません。

そのかわり、自らで仕事を創り、自分の裁量で物事を進められることが多いことは良い点だと思います。

正直27歳という年齢で、1つの町の総合戦略や、町の教育戦略に携わらせてもらえるのはすごく貴重な経験だなと感じています。

一方で、あくまでボランティアではなく、徹底的な「成果主義」であるという現実もあります。

想いがあっても、成果に対して同じ方向を向いて仕事ができない人とは一緒に働けないという現実はあります。

「のんびり仕事やりたいな」って人には向かないと思います。新卒でNPOも悪くはないと思いますが、NPOとひとくくりで言ってもいろいろな組織がります。

また、NPOという組織において「人を育てる」という観点は、まだまだ弱いという事実もあることを認識しておいた方が良いと思います。

ありがとうございます。最後に、大学生の皆様へのアドバイスをお願い致します。

「やりたいことあるのはいいけど、それって今やらなきゃいけないの?」という問いには向き合ってほしいと思っています。

ベンチャー企業やNPOに入るにあたっては、本当に「覚悟」が必要だと思います。

あまり自分のことを過大評価せず、「お役にたてないかも…」「しんどいこともあるかも…」という前提で飛び込むことは必要かと思います。

あとは、「決断したら正解するまでトコトンやれ」ってことを強く言いたいと思っています。

言い訳することはとても簡単なことですし、最後に決断したのは他人ではなく「自分自身」だと思うので、環境や周りの人のせいにしてほしくないと思っています。

貴重なありがとうございます。ちなみに決断したけど折れそうなときってありますよね…最後に「折れそうなときの乗り越え方」をおまけに教えてください。

そうですね。シンプルですが「信頼している人に頼る」ことが大事だと思います。頼る人は誰でいいわけではなく、「この人だ!」と思う、本当に頼れる人に頼ることがとても大事だと私は思っています。

インタビュー後記

学生時代の想いを忘れずに、数年ごしにチャレンジする姿が素晴らしいですね。民間企業に就職すれば安定という常識にしがみつくよりも、やりたいことを実現するために力を蓄えてチャレンジするという生き方がもっと広がれば、イキイキと働ける人が増えるかもしれません…

キャリアスケッチ 高橋

※他の業界のリアルを知りたい方はこちらから

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